Amazon輸入物販・輸入転売で利益が出たら、納税する必要があります。
こんな風に考えている人もいるかもしれませんが、副業だからとか、少額だからとかは関係ありません。利益が出たら納税をしなければいけませんし、納税をするためには基本的に確定申告が必要です。
Amazon輸入物販で利益を出したにも関わらず、確定申告をしなかった場合には脱税になり、罰金が課される可能性もあります。
税金払いたくないなあ〜という気持ちはものすごくよくわかるのですが、バレると本来支払うべき金額よりも余計に納税しないといけなくなるのでおすすめできません…
ですので、この記事ではこんなことを提案したいと思っています。
Amazon輸入物販で利益が出たら確定申告が必要
大事なことなので何度も同じことを書きますが、Amazon輸入物販で利益が出たら確定申告をして、納税をする必要があります。そもそも確定申告というのは、その年の1月1日から12月31日までの所得を計算し、所得税額を確定するために申告書を税務署に提出するというものです。
ちなみに2019年分の所得に対する確定申告は、2020年2月17日〜3月16日の間にすることになっています。
どのくらい利益が出たら確定申告をしなければならないのか?
納税をする人がどんな人なのかによって、どのくらい利益が出たら確定申告をしなければならないかは違ってきます。
具体的には、以下のようになっています。
- 会社員:20万円以上の利益(所得)が出た場合
- 専業主婦、学生(被扶養者):38万円以上の利益(所得)が出た場合
- 個人事業主:所得の金額に関係なく確定申告は実施
この条件を満たす場合は、確定申告をする必要があります。
会社員の副業で20万円以下の利益だったら納税しなくていい?
と、このように思うかもしれませんが、それは正しくはないです。確定申告というのは国税を納めるためにするもので、国民は国税の他に、地方税も納めなければならないからです。
確定申告すると地方自治体にも自動的に連絡が行くので、国に税金を納めた後で住民税を徴収されるので何も手続きがいらないのですが、確定申告をしない場合には、各地方自治体の市民税課などに問い合わせましょう。
利益があるのに確定申告をしないと罰則を受ける
さてこれも何度も書いていますが、利益を上げたにも関わらず確定申告をしなかった場合、脱税となる可能性があります。脱税になると、附帯税(いわゆる罰金)が課され、本来納めるべき税金よりも多く納税しなければならなくなります。
最近ではAmazonなどECサイトにも税務調査が入り、ユーザーの照会をすることもできるようになっているようで、税務調査が入ったと報告するせどらーも増えています。
税金を納めないとほぼ間違いなくバレますので、きちんと確定申告はしましょう。
確定申告のやり方
さて確定申告をしなければならないということがわかったと思いますので、今度は具体的にどのように確定申告をするのかについて説明します。
大きく分けると、
- 税理士に依頼する
- 自分で確定申告を行う
という2パターンがあります。
確定申告を税理士に依頼する
確定申告を税理士に依頼する場合には、当然ですが費用がかかってきます。
税理士ドットコムによれば、税理士にお願いすることでかかる費用の相場は以下のようになっています。
おおよそ年間の売り上げ500万円が、税理士に依頼するかどうかを考えるボーダーといった感じだと思います。
500万円以上売り上げがある場合は税理士への相談を視野に入れて、500万円もない場合には自分で確定申告するといった感じで良いのではないでしょうか。
税理士に相談する上で、記帳をするのとしないので相場が変わってきますが、最近は会計ソフトもかなり優秀で、記帳が済んでしまえば確定申告自体はけっこう簡単に終わります。
ちなみに税理士に依頼するのにかかった費用は経費になりますので、税理士に依頼すること自体が節税になるとも言えます。税理士に相談することで、各種節税のための対策も一通りやってもらえるというメリットもありますね。
だいたいの税理士事務所では、無料相談を受け付けてくれますので、気になる場合は税理士に相談だけでもしてみましょう。
確定申告を自分でする
確定申告を自分でする場合には、会計ソフトを導入するのが一般的でしょう。会計ソフトはfreeeやマネーフォワードといったクラウド会計サービスであれば、月額980円から利用ができますのでオススメです。先ほども少し書きましたが、確定申告においては日々の取引を記帳するのが一番面倒な作業となります。
ですが、こういったクラウド会計サービスでは、例えばクレジットカードを登録しておくと自動的に取引履歴を取得してくれたり、紙のレシートを画像認識で情報を取り込めたりと、記帳するのに便利なツールが揃っています。
それでも、売り上げが増えてくると記帳が面倒になってくるのですが、会社員の副業でAmazon輸入物販をやっていて売上金が少ないという場合には、会計ソフトだけ導入して、自分で確定申告を済ませても良いのではないでしょうか。
確定申告の流れ
さて個人で確定申告をやる場合に、確定申告の流れはだいたい以下のようになります。
- 日々の仕入れ、売り上げデータなどを記帳する
- 年間通算の仕入れ、売り上げから、所得(利益)を計算する
- 各種所得控除を考慮する
- 最終的な所得を確定し、税務署に納税額を申告する
- 申告した額面の税金を納める
そんなに難しくはないですが、日々の取引の記録を残しておくのと、所得控除で使えるものを積極的に取り入れるようにはしておきましょう。
確定申告に必要な書類
確定申告を実際にするときの提出書類は、以下のようなものがあります。
- 確定申告書(確定申告書AまたはB):事業所得がある場合はBになります。
- 添付書類:会社の源泉徴収票など
- 控除を受けるための証明書類:医療費、生命保険、住宅ローンなど所得控除を受けるための証明書
マイナンバー確認書類、その他本人確認書類
詳しくは、以下の国税庁公式Webページが参考になります。
参考:国税庁|【申告書の提出】
確定申告書類の作成について
確定申告の書類は税務署にいけばもらえますが、国税庁のWebページ上で作成することも可能です。
先ほど紹介したクラウド会計サービスでは、記帳するだけで自動的に損益などを計算してくれて確定申告書の形にしてくれます。あとは印刷するだけで申告ができますので、とても便利ですよ。
Amazon輸入の確定申告の納税額を抑えるための節税対策について
さて続いては節税対策について、代表的なものを紹介します。
税理士に相談をすることで節税対策はやってもらえるので、めんどくさい人は税理士に聞けば良いのですが、知識としてどんなものがあるのか知っておくのはアリだと思います。
経費をしっかり把握する
Amazon輸入物販で納税の対象となる「所得」とは、Amazon輸入物販で得られた売上金から、仕入高やその他経費を差し引くことで決まります。ですので、きちんと情報を整理し確定申告時に経費をしっかりと計上することで節税になります。
経費として計上できるものはかなり多いのですが、基本的にはAmazon輸入物販をするために利用したものは全て経費になると考え、記録を取っておくと良いです。
以下に、Amazon輸入物販をする上で経費として計上できるであろう代表的なものを挙げておきます。
- 仕入高:物販で売るために仕入れた商品の仕入れ高です。注意点としては、商品が売れた時に初めて仕入れ高として計上できるということです。節税のためには、年末に在庫を捌ききりましょう。
- 旅費交通費:Amazon輸入に関するセミナー参加のための交通費などがあれば経費として計上できます
- 広告宣伝費:物販のために広告宣伝をした場合には経費として計上できます(Amazonスポンサープロダクト等)
- 外注費:梱包や発送を外注した場合は外注費として経費計上できます。
- 交際費:輸入物販に関して情報交換のための懇親会などがあれば、交際費として計上できます。
- 消耗品費:梱包資材や10万円以下の物品(作業用スマホ、PCなど)が該当します。
- 新聞図書費:セミナー料金や、有料note、メルマガなどの費用が該当します。
- 車両費:仕入れやセミナー参加などのために車を利用した場合、ガソリン代などはこちらに計上できます。
- 地代家賃:事務所や自宅兼事務所の家賃が該当します。
- 水道光熱費:事務所や自宅兼事務所の水道光熱費が該当します。
- 通信費:インターネット接続料や作業スマホの契約料、ポケットWifi使用料などが該当します。
- 支払手数料:各種の手数料が該当します。税理士に支払った報酬なども支払い手数料となります。
- 減価償却費:10万円以上の物品(例えば高額なPCなど)は固定資産となり、経費形状の仕方が複雑になります。
- 雑費:上記に該当しない費用です。
色々分類があるので拒絶反応を起こすかもしれませんが、あまり深く考えすぎず、とにかくかかった費用を適切に計上することに重点をおきましょう(笑)
基本的に金額があっていれば、どの項目の費用にしたか、というのはそれほど重要ではありません。迷った場合には、深く考えすぎないようにして、「自分はこう思ったから、この科目にしました」と説明ができるようにしておけば良いです。
家事按分で賢く経費計上できる
例えばインターネット接続料や家の電気代などは、プライベート用と事業用の双方が混ざった状態にあるかもしれません。そういった場合には、「家事按分」という考え方が適用されます。
これはつまり、1ヶ月のインターネット接続料のうち、50%は輸入物販に利用していて、残り50%はプライベートに利用していた場合、インターネット接続料の50%を経費にできるということです。
この比率に関しては、厳密な計算が求められるわけではないですが、あくまで「合理的な範囲内で」割合を決めるようにしておくことが重要です。
明らかにプライベートでしか利用していないサービスを経費だして計上したりすると、のちのち税務調査が入った時に罰金の対象となるかもしれませんので注意しましょう!
青色申告をする
確定申告を「青色申告」にすることでかなり節税になります。以下に、詳しく解説していきます。
青色申告制度とは
個人事業主として開業し、青色申告承認申請手続きを行えば、確定申告の際に「青色申告」を選択できるようになります。ちなみに青色申告ではない確定申告のことは、白色申告と呼ばれます。
青色申告は、ざっくりと説明すると、「一定水準以上の記帳をし、その記帳に基づいて正しい申告をする人には、所得計算を有利してあげましょう」という制度です。
青色申告をすることで、Amazon輸入物販をする上でかなりの節税メリットがあります。
- 所得控除(65万円もしくは10万円)を受けられる
- 家族への給与が全額経費となる
- 3年間、損失の繰越ができる
- 30万円未満の固定資産が一括経費として計上できる
それぞれ、簡単に解説をしていきます!
65万円もしくは10万円の所得控除を受けられる
青色申告として確定申告をすれば、65万円もしくは10万円の所得控除を受けられるようになります。
65万円の所得控除を受けるには、複式簿記というやや複雑な形式で帳簿を管理し、確定申告時に賃借対照表や損益計算書を添付する必要があります。開業届を出しただけで、確定申告は白色申告にした場合は、控除額は10万円となります。
65万円の控除を受けるのはめんどくさそうに見えますが、クラウド会計サービスを使えば、特に意識することなく青色申告ができますので、安心していいです。
家族への給与を全額経費にできる
青色申告をすると、「青色事業専従者給与」という制度を使えるようになります。これは青色申告をした事業について、配偶者や15歳以上の親族に支払った給与を経費にできるというものです。
ただし、青色事業専従者として給与の支払を受ける人は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれないので、配偶者控除とどちらがお得になるのか、検討する必要があります。
青色事業専従者給与については、事前に申し出が必要となりますので、前もってチェックしておきましょう!
3年間、損失の繰越ができる
Amazon輸入物販をする上では、年間を通した場合に損失を出してしまうリスクもなくはないです。
でも青色申告をしてしておけば、損失を3年間繰越せます。つまり、今年50万円の損失を出してしまったという場合に、翌年150万円の利益が出たら、翌年の利益を(150万-50万)円とすることができるのです。
課税対象となる所得が150万円から100万円に減るので、節税になりますね。
30万円未満の固定資産が一括経費となる
先ほど、10万円以上の物品(例えば高額なPCなど)は固定資産となると書きましたが、青色申告をしておけば、上限金額が30万円まで引き上げられます。
物販をやる上ではあまり必要ないかもしれませんが、高価なパソコンも一括経費として計上できるようになるので、節税効果はかなり高いです。ただし、全ての備品の合計金額を300万円以下に抑える必要があります。
参考:国税庁|中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
開業届と青色申告手続きを事前に行うのが条件
上記したように青色申告は節税メリットがとても高いのですが、確定申告を行う前に、事前に手続きをしておく必要があります。といっても開業届も青色申告手続きもびっくりするほど簡単なので、さくっと申請をしておくと良いですよ。
所得控除の仕組みを活用する
税金には「所得控除」という制度があり、それぞれの所得控除に当てはまる場合、所得控除の額が所得から差し引かれます。
所得控除というのは、税金がそのまま差し引かれるわけではなく、税金計算の対象となる所得(利益)が免除されるという意味合いです。10万円の所得控除があって、税率が10%だとしたら10万円×10%=1万円が節税される。
ということですね。
所得控除を受けられる仕組みには、とてもたくさんの項目があります。詳しくは、以下の国税庁Webページをご参照ください。
ここでは、これら所得控除の項目のうち代表的なものを3つ紹介します。
生命保険控除
まずは生命保険料控除です。1年間で支払った生命保険料から、最大で12万円まで所得から控除されます。生命保険にはすでに加入しているという人もいると思いますが、生命保険には以下のように3種類があります。
加入していない種類のものがあれば、新たに加入することで控除を受けることができます。
- 生命保険料控除:最大4万円
- 介護医療保険料控除:最大4万円
- 個人年金保険料控除:最大4万円
ふるさと納税
利用している人も多いかもしれませんが、ふるさと納税による寄附金控除もあります。
ふるさと納税とは、全国各地の地方自治体に寄附をすることで、金額に応じた返礼品がもらえ、寄附額は2,000円をのぞいて全て控除になるという仕組みです。
寄附金は、収入に応じて控除となる上限金額が決められています。例えば、独身もしくは配偶者控除のない共働き夫婦で、所得が400万円の人は、43,000円が寄附額の上限となります。
実質2000円で、様々な返礼品をもらえる制度と考えれば良いです。申請も簡単ですし、活用する価値は十分です。
個人型確定拠出年金制度(iDeCo)
個人型確定拠出年金制度、通称iDeCoを利用した小規模企業共済等掛金控除というものがあります。iDeCoは私的な年金制度でして、自分で掛金を用意して、自分で運用方法を選びます。
掛金と運用益は、年金として受け取ることができるというものです。このiDecoの掛け金は、全額所得控除の対象となります。iDecoで運用することで得られた利益も非課税ですし、年金を受け取るときにも控除の対象となる仕組みです。
ただし掛金は、以下のように上限が設けられています。
- 勤務先に確定給付企業年金がある人や公務員:年間14.4万円まで
- 企業年金のない会社員:年間27.6万円まで
- 個人事業主:年間81.6万円まで
ちなみにiDeCoは、原則的に途中解約はできませんので、単年での節税をしたい場合には注意が必要です。
脱税ではなく節税をしよう
というわけで、
リスクを冒して脱税をするのではなく、節税をしよう!
ということが言いたいのです。
せっかく利益を出したのに、税金をたくさん納めないといけないというのは納得がいきませんが、国民の義務である以上しかたないです。制度自体は色々とありますので、節税を検討してみましょう。
あとは税理士に相談すれば間違いないし、税理士への支払い報酬も経費になりますので、気軽に相談してみてはどうでしょうか?
それでは今回の記事は以上になります。